虫歯でもないのに歯やその周囲の歯肉に違和感を感じたり、起床時に顎の周囲の疲れを感じるような場合、それは歯ぎしりの影響かもしれません。
実は、歯ぎしりは日常生活におけるストレス発散の為に行われ呼吸と同じように自然な働きなのです。
なので患者様自身多かれ少なかれ就寝時歯ぎしりをおこなっていてます。
自分は歯ぎしりの音を指摘されたことがないからしていないと思う方も多いかもしれませんが睡眠中の歯ぎしりで音のする方は2割程だそうです。
皆さんがしている歯ぎしりが質の良い歯ぎしりなのか、それとも負担のかかりすぎる、色々問題を起こす歯ぎしりなのか見分けることが大切です。
質の良い歯ぎしりの動きは犬歯(糸切り歯)のみで歯ぎしりを行い上下の奥歯は接触しません
問題を起こしやすい歯ぎしりは上下の奥歯同士が接触し強く擦れる場合です。
奥歯同士で歯ぎしりが行われると長時間、強い力によって、顎・筋肉・歯・歯周組織に負担をかけ問題を引き起こしやすくなります。
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歯ぎしりの問題点は音だけではありません
1知覚過敏
2歯の破折
3詰め物・被せ物
4あごの痛み・顎関節症
5歯周病
6起床時の疲労感
7肩こり・頭痛
など様々の問題を引き起こします | |
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歯ぎしりの種類は大きく分けて3つあります。
@グラインディング:いわゆる歯ぎしり
歯ぎしりの代表的な動きで就寝中に顎をギリギリと左右に動かします。
顎を左右に動かす際に犬歯或いは犬歯・小臼歯同士が接触して大臼歯同士は接触しないのが理想です。
Aクレンチング:食いしばり・噛みしめ
睡眠時もしくは日中起きている時にも見られる動きで、上下の歯でずっと噛みしめてしますのです。
本来人間の上下の歯が接触する時間は1日で15分程度といわれています。
この噛みしめは無意識に持続的に上下の歯を接触させてしまい、結果として長時間歯に負荷のかかった状態になります。
最近多くみられる歯ぎしりのタイプで歯牙接触癖・TCH(Tooth Contacting Habit)と言われています。
このTCHは過度な緊張状態・精密作業・家事(料理・掃除中など)・パソコン作業中に生じやすいです。
Bタッピング カチカチ噛み
歯ぎしりの中では稀な動きです。就寝時にカチカチ音がするよう上下の歯を何度も接触し続ける動きです。
C上記@〜Bの混在したもの
歯ぎしりの検査方法(検査名:ブラックスチェッカー)
患者様が実際にどのような歯ぎしりをしているのか知る方法です。
特殊な塗料を塗布した薄りシートを一晩上顎歯列にはめて寝ていただきます。
上下の歯が擦れた部位の塗料は剥がれますので、それを観察することにより質の良い歯ぎしりなのか負担のかかりやすい歯ぎしりなのか見ることができます。 |
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この方の歯ぎしりの観察では左奥歯に強い歯ぎしりを観察できました。
実際、左の奥歯に強い知覚過敏を認めていました。 |
歯ぎしり自体は悪いことではありませんが、その影響から問題を引き起こすことがあります。
下記のように色々対処法がございますので、皆様にあった方法を探す必要がございます。
どうぞお気軽にご相談ください。
1.生活習慣指導・リラックス運動
認知行動療法ともいわれます。日常生活において上下の歯は2〜3o程離れています。
日中の噛みしめに対しては通常歯と歯は接触しないというのを意識していただくことです。
PCや目の付くところに「噛みしめしない」「歯と歯を接触させない」などを書いたメモを貼り付けて意識付けするのもいいでしょう。
パパパパと発音しながら上下の唇を合わせていただくと歯が接触していないことがわかると思います。
2.ナイトガード
就寝時に厚さ2ミリ程のプレートを上顎歯列につけてお休みいただき歯を保護します。
保険診療で約5000円の自己負担金で作成できます。
3.歯並び矯正
前歯の歯並びが悪いと見た目だけでなく、正しい動きもできません。
歯並びを改善することにより、前歯で正しい動きを出来るようにします。
4.噛み合わせの調整
奥歯同士擦れている部位を少量削って調整します。
5.前歯の被せ物の交換
形の悪い前歯の被せ物を交換して形をかえることにより前歯で歯ぎしりをおこなえるようにします。 |
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